大学生活も三年生の秋になり、授業で病院実習に行く機会が増えてきました。病院名をここに書くことはできませんが、実習をさせて頂いた病院は外来の数が多く、場合によっては午前中だけで150人くらいの患者さんが来院される日もありました。
視能訓練士の先生たちは大勢の患者さんが来られても滞りなく検査をされていて、間近で手技を見学させて頂くことは貴重な勉強になりました。
来院される患者さんの中には白内障の方も多くいらっしゃいます。
白内障とは、水晶体という眼内にある透明なレンズが加齢とともに濁ってしまったためにだんだんと視力が低下する病気でで、すこしづつ進行するので、自分ではなかなか自覚できないそうです。
初期の白内障ならば点眼薬で症状をある程度抑えられますが、光が通過できないくらい水晶体が濁ると、生活に支障をきたすくらいに視力が落ちてしまいます。
ここまでくると視力を回復する方法は現在のところ手術しかありません。
白内障の手術は、角膜に小さな穴を開けて、濁った水晶体を取り出し、代わりに人工のレンズを挿入して眼内へと光が入るようにします。
手術時間自体は早い人で5分くらいで終わるそうです。
手術自体は短時間ですむそうなのですが、現場の視能訓練士さんにお話を聞くと、濁った水晶体の代わりに挿入する眼内レンズの度数を決定するのに大変な労力を必要とするのだそうで、眼内レンズを交換するために何度も手術をすると患者さんの身体に相当な負担がかかり、角膜の細胞も手術のたびに減ってしまうので、角膜の機能が落ちてしまい場合によっては新たな疾患が発生する場合もあるとのことで、その危険を避けるために、患者さんがどのような生活を送りたいか、しっかりとカウンセリングをして眼内レンズ度数を決める必要があるそうです。
大学で勉強する以前は、白内障の手術は「お手軽ですぐ終わるものだ」というなんとなく簡単ななイメージを持っていましたが、実際は複雑な要因が絡んでいるのだなと、今回の実習で学びました。
自分も白内障手術に必要な検査をしっかりできるよう、知識を深めなければと思いました。